高齢者QOL向上のための「はなばす号」セラピー。五感で花を味わい、自由なアレンジメントを作る。
花のチカラで“ゴトーさんが動いた! “
参加者の中にゴトーさんはいた。
サイズダウンする高齢者が多い中、発話もなく、動かないゴトーさんは、車いすの限界を感じさせるほど恰幅がいい。
「この花の色、きれいねぇ…あっ、これ、甘い香りがするよ!」
ゴトーさんの作品は、セラピストが半ば一方的に語りかけながら、彼女の手を取って作ることになる。
「皆さん見て!ゴトーさん、こんな素敵な作品できました!」
セラピーの肝、「作品褒め合いっこ」中のその時、全員が息を飲んだ。
ゴトーさんが震える両腕を自ら動かし、時間をかけて顔の前で両手の指を合わせたのだ。
じっとセラピストを見つめ訴えるゴトーさん。
「……こちらこそ、ありがとう!」
セラピストの声を合図に彼女を称賛する拍手が起こる。
105歳のゴトーさん、極上のコミュニケーションをありがとう。
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